トカラノコギリクワガタとは | ||||||||
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トカラノコギリクワガタ(以下、トカラノコ)は鹿児島県の十島(トカラ)列島に生息しています。(私は、野生のトカラノコは見たことありませんが…) 形や大きさは、普通のノコギリクワガタ(以下、本土ノコ)とよく似ていますが、最大の特徴はその色でしょう。 本土ノコは赤くなるものが多いですが、トカラノコの場合はオレンジ色です。(時には黒化型とよばれる、真っ黒な個体もいます) 十島村昆虫保護条例の施行により、私的利益のための採集は禁止されているので、現在は野生のトカラノコを採ってきて飼うことはできません。専門店やオークションなどで、養殖ものを手に入れることはできます。 成虫の状態では、長くても1年ほどしか生きることができませんが、産卵させて増やすのは割と簡単です。 性格はやんちゃですが、それほど力強くはないので、♂に挟まれても大事には至らないでしょう。わざと挟まれるのをお勧めはしませんが…。 ファンが多いので、色々なサイトで情報を得ることができます。 |
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成虫の飼育 | ||||||||
成虫を飼育するために必要なもの。
トカラノコは、昼間でも結構活動しますし、見た目も綺麗なので観賞向きといえるでしょう。 30℃を超えないところ、できれば20℃台前半くらいの、直射日光が当たらない場所に置きましょう。 |
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産卵させよう | ||||||||
もし♂♀のペアがいるなら、折角なので産卵させてみましょう。 基本的に上記の成虫飼育用セットで問題ありませんが、マットは専用の発酵マットを使いましょう。自作もできるようですが、専門店で購入するのが簡単です。 ノコギリクワガタやヒラタクワガタに産卵させるには、よく発酵したマットに水分を多目に含ませます。多目と言っても、ベチャベチャするほどは要らず、強く握って水が滲む程度でいいでしょう。 産卵木(これも専門店やスーパーなどで買えます)は、あってもなくてもいいようですが、私は入れています。産卵木は乾燥した状態で売られているので、1〜2時間完全に水没させて水分を含ませます。このくらいの時間であれば、陰干しせずにそのまま使えます。 ケースの底に、マットを堅く敷きます。中サイズのケースなら3〜5cmくらいでしょう。その上に産卵木を置き、すき間をマットで埋めます。すき間を埋めるのも、できるだけ堅く詰め込みましょう。産卵木が完全に埋まるか、少し見える程度になるまで、マットを入れます。 そして、餌と転倒防止の木片などと、成虫の♂♀を1匹ずつ入れれば準備完了です。 餌がなくなっていたら補充するだけで、あとはひたすら待ちましょう。 そのうち、ケースの側面や底面に卵が見え始めます。更にしばらくすると、卵が孵化して幼虫が見えてきます。 そのくらいになっても♀がまだ元気なら、別の産卵セットに移すか、成虫飼育用のケースに戻しましょう。卵や幼虫を潰してしまうことがあるからです。 2005年、うちのトカラノコ1ペアは、卵を60個以上産みました。ある程度はオークションなどに出して、よそへ貰われていきましたが、まだ数十匹は幼虫の状態で飼育中です。 ということで、幼虫の飼育へと続きます。 |
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幼虫の飼育 | ||||||||
上記の産卵セットなら、マットや産卵木がそのまま幼虫の餌となるため、幼虫が余程密集していなければ、しばらくそのままで飼育が可能です。 しかし、大きな成虫に育てようとするなら、個別飼育がお勧めです。 容積が1リットル前後あり、幼虫の呼吸を妨げない構造なら、容器は何でもいいと思います。うちでは、850ccの使用済み菌床瓶を使用しています。 容器に、産卵セットで使ったマットと同じものを堅く詰めます。容器の蓋とマットの間に、ある程度のすき間は確保しておきましょう。 詰め終わったマットの表面に、幼虫が収まるくらいの大きさで穴を掘り、その穴に幼虫の頭を突っ込むような感じで幼虫を入れます。しばらくすると勝手に潜っていきます。1つの容器に1匹ずつ入れていきます。 マットの場合、交換時期を見極めるのが難しいですが、3ヶ月に1回マットを交換するくらいの感じでよいと思います。 うちのトカラノコ達は、2006年2月現在3令幼虫です。暖房のない部屋で飼っていますが、結構活動しています。 ここから先は、どうなるかわかりません。無事に蛹、成虫と育ってくれるでしょうか。(実は1匹だけ2令幼虫からいきなり蛹になり、成虫になってしまった♀がいます。今は成虫の状態で休眠していますが、こんなこともあるんですね) 2006年5月7日、蛹化を確認しました。今後の情報は、トカラノコ飼育記に書いていきます。 2008年6月より、オークションで入手した中之島産F3の幼虫を飼育開始しました。 |
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うちのトカラノコギリクワガタ | ||||||||
2006年5月27日。気付いたら羽化していました。うちのトカラノコ達は口之島燃岳産で、今年の虫はF2となります。 |
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2006年6月10日。♂も羽化し始めています。 |
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2006年7月。♂はこんな感じのが10匹以上いましたが、殆どオークションで手放してしまいました。 |
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